<新型コロナ>2倍以上の車が…埼玉・越生梅林梅まつりに大勢の客 バスなど1万8千台超、理由は
埼玉県越生町で毎年春に開かれている「越生梅林梅まつり」について、今年は訪れた車の駐車台数が昨年の2倍以上だったことが6日までに、町観光協会の集計で分かった。新型コロナウイルスの感染を防ぐため、観光客が電車や路線バスの利用を控えたことが一因とみられ、マイカーによる家族単位の来訪が目立ったという。同協会は「自粛疲れの中、家族での車の移動、屋外観光という安心感が働いたのでは」とみている。
「こちらです」。係員が「満車」と記した看板を手に、空いている別の駐車場へと車を誘導する。2月下旬の越生梅林には早春の梅をめでようと、観光客が訪れていた。
今年の梅まつりは2月13日~3月21日に開かれた。緊急事態宣言の再発令の中、新型コロナの感染拡大を防ぐため、郷土芸能の出し物など会場で予定していたイベントは取りやめ、規模縮小に伴い入園無料で催された。
バスを含む自動車の駐車台数は、8659台だった昨年に対し、今年は1万8728台と大幅に増加。2年前の1万304台と比較しても8千台以上多かった。品川や柏、高崎など県外のナンバーも見られた。
一方で例年、土日・祝日に運行していた臨時バスは、今年は路線バスだけで足り、バス利用者も極端に少なかったという。町観光協会の大沢昌文事務局長(62)は「1時間かけて越生駅から歩いてきた観光客も見られた」と感染防止対策への意識の高さを指摘する。
入園料を徴収しなかった今年は来場者数を数えていなかったが、同協会は約4万2千人が訪れたとみている。期間中の開花状況などで人出は前後するものの、2年前の4万9725人、昨年の3万3914人と比べ、コロナ禍にあっても人数がはね上がった。
同じコロナ下に開催された昨年を上回る人出に、大沢事務局長は、自粛疲れが聞こえた中で「(来場者増は)里山の屋外観光、家族間のマイカー移動という安心感が働いたのではないか」と分析している。