国内初、工業大学に「新専攻」開設へ 自動運転のエンジニア育成、変化する時代のニーズに対応 全学生にIT、AIを教育する準備も
埼玉工業大学(埼玉県深谷市普済寺)は16日までに、理系人材の育成強化とデジタルトランスフォーメーション(DX)人材のニーズに対応するため、工学部に国内初となる「自動運転専攻」など五つの新専攻を、2025年4月に開設すると発表した。現在の工学部3学科7専攻から3学科10専攻になる。同大は同市と今年1月、自動運転バスの運行の実証実験を行った。同大は「社会の人材ニーズに対応して、より時代にマッチした適切な人材育成に取り組んでいきたい」としている。
同大は1976年に設置され、創立48年目。現在は工学部の3学科7専攻と人間社会学部2学科4専攻で、全学では2学部5学科11専攻で構成される。19年には自動運転技術開発センターを設立し、自動運転技術の研究開発を進めている。
工学部情報システム学科は自動運転専攻を新設して4専攻制として、同学科を50人増加して合計200人とする。工学部3学科の合計の入学定員は従来同様の360人。同専攻は自動運転技術の実現に必要な知識や技術をハードウエアとソフトウエア両面から習得した自動運転のエンジニアを目指す。
機械工学科には「IT(情報技術)応用機械専攻」と「AI(人工知能)ロボティクス専攻」の2専攻を新設し、生命環境化学科には「バイオサイエンス専攻」と「環境・クリーンエネルギー専攻」の2専攻を新設。文理融合型の人間社会学部の情報社会学科も「IT経営専攻」と「メディアデザイン専攻」に変更して、全学的にDX人材のニーズに柔軟に対応していく。
本年度から全学部・全学科の新入生全員が統一した仕様のパソコンを所有して、所属の学部・学科に関係なく、全学生が同じようにITやAI関連の教育を受けられる整備もしている。同大は「工業大学ならではの先端的な技術革新による地域振興の実現」という目標を掲げており、社会ニーズにマッチしたさまざまな研究開発を推進している。