やめろ…叫ぶ高校生らの車、事故で2人死亡 運転の18歳、頭が真っ白…猛スピードで「いいところ見せたい」
鴻巣市で2019年12月、4人乗りの乗用車がガードレールに衝突し、同乗の2人が死亡した事故で、速度超過して走行しハンドル操作を誤ったとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた当時18歳の少年の初公判が14日、さいたま地裁(田尻克巳裁判官)で開かれた。少年は起訴内容を認め、免許を取得して約4カ月で「スピードを出すのが楽しくなって調子に乗ってしまった」と述べた。亡くなった深谷市の男子高生=当時(18)=の母親(44)は「事件と罪にしっかり向き合い、全てを話してほしい」と話した。
起訴状などによると、少年は19年12月13日午後0時20分ごろ、鴻巣市郷地の県道で、制限速度を約78キロ超える約118キロで乗用車を走行。ハンドルやブレーキ操作を誤り、道路左側のガードレールに衝突した後、駐車場の油圧ショベルにぶつかり、後部座席に乗っていた本庄市の男子高生=当時(18)=と深谷市の男子高生=当時(18)=を死亡させた。少年と助手席に乗っていた友人は鼻骨骨折などのけがを負った。
県警は20年3月、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで、少年を書類送検。さいたま地検は同年7月に家裁送致した上で今年2月、同法違反(過失運転致死傷)の罪で起訴した。
冒頭陳述で検察側は、少年と男子高生ら3人は高校の同じ学生で、少年が鴻巣市の運転免許センターに行くために3人が集まったのを知り、車に同乗するよう誘ったと説明。「3人にいいところを見せたいと思って車を加速させた」と指摘した。少年は40キロ規制と認識していた道路を高速で運転し、「3人が『やめろ、危ないだろ』と叫んだにもかかわらず、アクセルを踏み続けた」と述べた。
被告人質問で少年は「大事故になるほど、スピードを出しているとは思わなった。当時は頭が真っ白で、仲間に運転を注意されていたことに気付かなかった」と説明。少年が同乗するように誘ったという検察側の指摘には、「(同乗者が)ドライブに行こうと言ってきた」と話した。最後に「自分の身勝手な運転で命を奪ってしまい、申し訳ありません」と謝罪した。