<新型コロナ>埼玉のワクチン分配量が判明、最多はさいたま 次に深谷、川口と続く 納得できず困惑も
26日と5月3日の週に全国で計5741箱(1箱975回分)の高齢者向け新型コロナウイルスワクチンが配分されることを受け、埼玉県は15日までに、県内に配分される282箱の市町村ごとの分配量を明らかにした。最も多いのはさいたま市(61箱)で、深谷市(18箱)、川口市(14箱)などが続いた。一方で滑川町や神川町など1箱にとどまる自治体も複数あった。
282箱は1人当たり2回接種を行う場合13万7千人分で、県内の高齢者接種対象者193万6千人の約7%に当たる。分配量はファイザー製ワクチンを保管できる超低温冷凍庫がある病院や施設からの発注量を基に国が都道府県に割り振り、県が市町村からの希望を反映して自治体ごとの量を決定した。県の担当者は「人口規模だけで分配すると、接種体制の整備状況によっては余ってしまう可能性がある」と市町村からの申告を尊重した理由を説明した。
国は5月中旬にかけて1万6千箱、同下旬以降に同数以上を分配する予定としている。県担当者は「国が安定供給するとしている以上、信じて準備していきたい。今回は分配量が少ない自治体もあるが、今後さらに多くの量が来ると見込んでいる」と話した。
対象者2万4千人を抱える戸田市は2箱を配分される。担当者は「まずは病院での個別接種なので、ロスを出さないため希望を4箱に抑えた。人口の割に多く分配される自治体にも考えがあると思うが、希望と人口規模の両方を勘案すべきであり、納得できず困惑している」と明かした。
東松山市は冷凍庫がある施設のない吉見町と合わせ15箱を希望していたが、9箱を分配され、2箱分を吉見町などと分ける。同市の担当者は「市内の対象者の12・5%分にしかならず、まだまだ(必要)だ」と話し、今後の安定供給に期待しているとしつつ「全国の自治体が次回は多めに希望すると想定して次回の希望量を検討したい」と来月の分配に向けて希望量を増やす可能性を示唆した。
冷凍庫がない横瀬町、皆野町、長瀞町と合わせ4箱を分配される秩父市は「想定通り。連休明けにさらに分配されることを考え、4市町で3900人に1回ずつ接種するつもり」と説明。「3町に配分する負担は大きいが、住民の利便性を第一に考えた」と話した。