埼玉新聞

 

ロールキャベツやワインを堪能、ルーマニアとの外交樹立100周年祝う 埼玉・朝霞の料理店で食事会

  • ルーマニア料理研究家スクタリウ朋子さん(左端)が企画した食事会に参加した人たち=朝霞市本町のルーマニア料理店「M&Y」

 今年、日本とルーマニアの外交関係樹立100周年を迎えたことを受け、ルーマニアとの交流を進めている料理研究家や日本在住のルーマニア人らが、朝霞市のルーマニア料理店「M&Y(エムアンドワイ)」で、「100周年のお祝い食事会」を開催した。参加者はルーマニア料理を堪能するとともに、両国の文化交流の促進を確かめ合った。

 食事会を主催したのは、東京都西東京市、ルーマニア料理研究家で「日本ルーマニア親善協会」理事のスクタリウ朋子さん(47)。

 参加したのは、スクタリウさんのほか、東京都武蔵野市とルーマニア・ブラショフ市が友好都市となっていることを受け、同国と文化交流を進めている武蔵野市の市民団体「武蔵野ブラショフ市民の会」のメンバー2人、横浜市の翻訳家らルーマニア人女性2人、同市のフラワーデザイナー星野久美さんの計6人。

 スクタリウさんは鳩ケ谷市(現・川口市)出身。大学卒業後、英語の勉強のためカナダに留学。その後、ニュージーランドでルーマニア人男性と知り合い結婚。ルーマニアで暮らした後、2010年に夫と共に帰国。現在は自宅でルーマニア料理教室を開いている。

 ルーマニアとの外交関係が樹立されてから100年目を迎えた今年、より多くの日本人に料理や人柄などルーマニアの良いところを知ってもらおうと、埼玉県内唯一のルーマニア料理店の同店で食事会を企画。交流のあった市民団体や日本在住のルーマニア人に参加を呼び掛けた。

 この日の食事会は、会員制交流サイト(SNS)を通じてスクタリウさんと知り合ったという星野さんが新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染防止のために創作した和紙製のカップカバーを活用。「サルマーレ(ロールキャベツ)」や「チョルバ(スープ)」、同国産ワインなどルーマニア料理が振る舞われた。

 日本人男性と結婚し、人生の半分以上を日本で暮らしているシェルブレア・ミハエラさん(53)は「ルーマニアと日本の交流は国交樹立以前からあったんです」と両国の長い歴史を感慨深げに振り返り、「早くコロナが収束し、両国の行き来ができるようになれば」と話した。

 スクタリウさんは「ルーマニア人は素朴で温かく、料理はとてもおいしい。国内には中世ヨーロッパの街並みが残っており、大好きなところ。外交樹立100年を通じて、ルーマニアと日本が近くなることを期待するとともに、そのお手伝いをしていきたい」と話している。

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