埼玉新聞

 

「私がいちばん好きなやつ」お願い! 食事と会話でにぎやかな大家族の雰囲気味わう 俳優が店員演じる1日限定「親戚食堂」

  • 大勢の市民らが食事や会話を楽しんだ「親戚食堂」と、「皆がほっとできる場に」と話す店主の小暮智美さん(右)=18日、蕨市中央3丁目

    大勢の市民らが食事や会話を楽しんだ「親戚食堂」と、「皆がほっとできる場に」と話す店主の小暮智美さん(右)=18日、蕨市中央3丁目

  • 大勢の市民らが食事や会話を楽しんだ「親戚食堂」と、「皆がほっとできる場に」と話す店主の小暮智美さん(右)=18日、蕨市中央3丁目

 蕨市内の体験型飲食店で18日、親戚が集まったような演出の中、食事をしている雰囲気を体験できる「あなたの親戚食堂・さとみん家」が1日限定で開かれ、大勢の市民らが食事と会話を楽しんだ。

 劇団俳優が「親戚のおばちゃん」「親戚兄弟」「いとこ」「めいっ子」「ご近所さん」などを演じ、店員として客を迎える食堂。かつてのにぎやかな商店街や大家族の雰囲気を感じてもらおうと企画された。

 店主で市を盛り上げようと活動する「キラいくパフォーマンスビレッジわらび」の小暮智美さんは同市出身。「昔の蕨は商店街が活気があり皆が顔なじみで、まちが一つの家族みたいだった。個人商店が減り、かつてのような濃密なつながりは少なくなってしまった。この場が皆さんがほっとできるような場所であれば」と話す。

 開設にあたっては地域を盛り上げる場として、世代間を超えた居場所となり、皆が食事やおしゃべりを楽しめる場であることなどを目標とした。料理は小暮さんらが腕を振るい、メニュー名は「今日はがっつり気分なんだよね(から揚げ定食)」「私・俺がいちばん好きなやつ(ポテトサラダ)」「あの味、たまに思い出すんだよな(肉じゃが)」など親しめるよう工夫した。

 開店とともに客が訪れ、店内はあっという間に笑い声の絶えない明るい雰囲気に。食事を楽しんだ40代の会社員女性は「料理はとてもおいしく『母の味』といった感じ。昔のご近所さんとの付き合いはこんな感じだったのかも」と笑顔で話していた。

 「長女」役を務めた劇団「ママーズ」代表の西入美咲さんは「お母さんのご飯を一人でも、大人数でも、それぞれに楽しんでほしい。食事や会話、他の方との触れ合いを通じ、人や地域とのつながりを感じてもらえれば」と話した。

 「あなたの親戚食堂・さとみん家」は7月にも行われる予定。

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