埼玉新聞

 

<新型コロナ>まん延防止、埼玉など20日から開始 知事、陽性者増加に懸念「緊急宣言移行あり得る」

  • 大野元裕知事

 新型コロナ特措法に基づくまん延防止等重点措置が、20日から埼玉などで始まる。大野元裕知事は19日、同措置について記者団に「県民にしっかり実施していただきたい」と述べ、実施によって感染拡大を抑えたいとの考えを示した。一方、東京都が緊急事態宣言要請の検討を開始。知事は「県としても緊急事態宣言を含め、さまざまな選択肢を考えている。状況を見てしっかり判断する。現時点で宣言に移行するつもりはない」と慎重な姿勢を示した。

 同措置では対象区域のさいたま、川口両市内では飲食店などの営業時間が午前5時から午後8時まで、酒類提供時間は午前11時から午後7時までとなるなど、時短要請や感染防止の取り組みが要請される。措置区域以外でも営業時間を午後9時までとするよう呼び掛けられるほか、県境をまたぐ移動や大都市圏などとの往来自粛、飲食店でのカラオケ設備の利用自粛などが呼び掛けられる。

 県などによると、4月11日から17日の1週間の新規陽性者の合計は1094人。17日の新規陽性者は207人で、約2カ月ぶりに200人を超え、再増加傾向は顕著になっている。

 知事は3月の緊急事態宣言解除後の県内の感染状況を「少しずつ(新規感染者の)増加ペースが上がってきている。強く懸念している」と説明。「まん延防止措置期間でも、状況によっては緊急事態宣言に移行することはあり得る」と危機感を示した。

 19日には大阪府が、緊急事態宣言発令を政府に要請することを決めた。東京都は宣言発令を要請するかどうか今週後半に判断する見通しという。大野知事は「われわれとしては埼玉の状況を冷静に判断しながら今後の措置を決定したい」とした。

 まん延防止等重点措置は埼玉のほか千葉、神奈川、愛知の4県で20日から始まる。

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