埼玉新聞

 

<新型コロナ>患者急増に備え 埼玉県が病床増へ方針 緊急時、一般医療の制限を前提に病床確保へ

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は30日、新型コロナウイルス患者の急増に備え、病床を108床増の1619床体制とするなどの医療提供体制整備方針を発表した。大野元裕知事は同日、「現時点で通常の医療をやりながら(病床を)増やすは正直、限界」と述べ、緊急時に一般医療を制限することを前提に、医療機関に病床確保への理解を求める考えを示した。

 厚労省は3月24日、これまでの1日当たりの最大新規感染者数の2倍を想定した医療提供体制整備を都道府県などに求めた。県は病床がひっ迫し、一般医療を相当程度制限する前提で、コロナ患者急増時を想定した病床数、ホテル室数を算出した。

 県内でこれまでに、1日当たりの新規陽性者が最も多かったのは今年1月16日の582人。この2倍の1164人の新規陽性者が発生した場合を想定し、最大の入院者数を1376人(中等症1200人、重症176人)と算出。病床使用率を85%とし、必要な病床数を1619床(中等症1412床、重症207床)とした。必要な宿泊療養施設数は1467室増の2523室としている。

 県感染症対策課によると、県内医療機関での最大入院者数は今年1月19日の886人。病床確保に向けた条件などの詳細は今後、決定する。現在は医師が判断している入院については今後、基礎疾患の有無や年齢などを点数化する入院基準を検討していく。

 県は関係機関と協議して5月末までに体制を整える予定。

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