危ねー!事故るだろ…猛スピード自慢、車内で注意した生徒2人死亡 運転少年に実刑「注意された覚えない」
2021/05/07/00:00
鴻巣市で2019年12月に高校生4人が死傷した事故で、高速度で車を走行させ運転操作を誤ったとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた、当時18歳の少年(19)の判決公判が6日、さいたま地裁で開かれた。田尻克巳裁判長は「単なる不注意ではなく無謀運転の結果であり、過失は悪質かつ重大」として、少年に懲役2年以上3年以下(求刑・懲役4年以上6年以下)を言い渡した。
判決理由で田尻裁判長は、少年が高速度で運転できることを同乗者に誇示したいと考え、一度減速して車間距離を取った上で、「意図的に車を加速させた」と指摘。同乗者に「やめろ」「危ねー。事故るだろ」と注意されたにもかかわらず、「制限速度の約3倍で進行した結果、運転操作を誤って事故を起こした」と述べた。
公判で少年は、車を減速させたり、注意された覚えはないなどと供述していたが、田尻裁判長は同乗者の証言が「信用性は高い」とし、「被告の記憶は曖昧」と退けた。
その上で少年が反省の言葉を述べ、更生の意欲を示していることなどを考慮しても、「事案の重大性や遺族らの処罰感情から、保護処分が社会的に許容される事案とは言えない」と述べ、「過失の悪質性に鑑み、懲役刑を選択した上で実刑はやむを得ない」とした。
弁護側は保護処分が相当と主張していた。
判決によると、少年は19年12月13日午後0時20分ごろ、鴻巣市郷地の県道で、制限速度を78キロ超える約118キロで車を走行。運転を誤って道路左側のガードレールと油圧ショベルに衝突させ、後部座席に乗っていた本庄市の男子高生と深谷市の男子高生=いずれも当時(18)、高校3年=を死なせるなどした。