銃撃男、住民ら意外な印象 近隣トラブルなく、清潔感ある服装 川口タクシー強盗、容疑の男逮捕
埼玉県川口市幸町3丁目の路上で29日夜、タクシー運転手の男性(72)=栃木県足利市=が男に脅された上に拳銃のようなもので撃たれ重傷を負った事件で、川口署特別捜査班は31日、強盗殺人未遂の疑いで、無職の男(68)=川口市栄町3丁目=をJR大宮駅構内で確保し、逮捕した。「金を奪おうと思ってはいなかったが、ピストルを撃ったことは間違いない」と容疑を一部否認しているという。
■川口市民「本当によかった」
県警は31日午後、男が住んでいた川口市栄町のマンションを家宅捜索し、捜査員が複数の段ボール箱を運び出した。
容疑者の隣に住んでいるという男性(27)は、「何度か容疑者の男を見かけたことがある」と話す。4月にも一人で歩いていた男を見かけた。その時は「清潔感のある服装」で、無愛想な印象も受けなかった。隣から大きな物音が聞こえるようなこともなく、近隣トラブルもなかったという。
29日の事件発生当時、男性は家を不在にしていた。30日に警察の規制線が張られた事件現場を通りかかり、初めて事件を知ったという。逮捕されたのが男と知ると「隣(に住んでいる人)でびっくりした」と衝撃を受けた様子だった。
容疑者逮捕の一報を受け、川口市の事件現場近くで子どもに芸術を教える女性は「本当によかった。事件後は教室の前の道も封鎖され、どうなることかと思った」とほっとした表情を浮かべた。教室に通う6歳の女子児童2人も「怖かったです。(逮捕され)安心した」「もう一斉下校しなくていい」と喜んだ。
市内に住む女性(75)は「現場の通りは買い物の時によく通る。身近に犯人が住んでいたと思うと怖い」と不安げな表情。一方、 現場から約100メートル離れた市立幸町小学校の織本寛之校長は「ほっとした。これで放課後に子どもたちが外でボール遊びをする日常が戻ってくる」と胸をなで下ろした。