埼玉新聞

 

60年の歴史に幕…埼玉北部で最大級の美術展「県北美術展」最後の開催に ピーク時の出品数1219点

  • 今回で最終活動となる県北美術家協会会員展=11日正午ごろ、熊谷市仲町の八木橋百貨店8階カトレアホール

 県北美術家協会会員展が12日から、熊谷市仲町の八木橋百貨店8階カトレアホールで開催される。同協会は県北最大級の美術展「県北美術展」を主催してきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響などで中止に。同協会は今回の展覧会を最終活動とし、約60年の歴史に幕を閉じる。

 同協会によると、熊谷市の日本画家で、2019年に亡くなった大野百樹さんの発案で県北美術展運営委員会が発足し、1959年に秩父市で第1回県北美術展を開催。以降は会場を県北7市1町の持ち回りで実施してきた。年々規模を拡大し、県内では埼玉県美術展覧会(県展)に次ぐ規模の美術展となった。

 ピーク時の2003年の第46回展には、出品数が1219点、陳列数が1105点までに及んだ。だが、徐々に会員は減少し、会員数はピーク時の720人より半減。会員の約8割が65歳以上で、会員の高齢化や一般応募者の減少によって、今回で最後の活動とすることを決めた。

 今回は公募展ではなく、同協会会員有志が絵画50点、彫刻10点、工芸19点、書15点、写真20点の作品を展示。個性あふれる作品が所狭しと飾られる。16日までで、時間は午前10時~午後6時半(最終日は午後4時まで)。

 同協会会長の大木英穂さん(81)は「残念だが、時代の流れで仕方がない。最後の展覧会なので、ぜひ見てもらえれば」と話していた。

 問い合わせは、八木橋百貨店(電話048・523・1111)へ。

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