工事価格、業者に漏らす 元鳩山町職員ら逮捕 官製談合防止法違反の疑い 鳩山町役場を家宅捜索
2021/05/12/00:00
鳩山町が発注した土木工事2件の一般競争入札で工事価格を業者に漏らしたとして、県警捜査2課と西入間署の合同捜査班は11日、官製談合防止法違反(入札妨害)の疑いで、鳩山町産業環境課元主幹で無職の男(63)=同町大橋=を、公競売入札妨害の疑いで、同町赤沼の建設会社「田中工業」前社長の男(63)=同町赤沼=を逮捕した。
逮捕容疑は、昨年5月20日に鳩山町から一般競争入札で発注された2件の土木工事について、元職員が前社長に工事価格を教え、最低制限価格に近い金額で入札、落札させた疑い。県警は共犯事件で捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
同課によると、対象となった入札は鳩山町の上熊井農産物直売所と泉井交流体験エリアの建設工事。田中工業を含む4~5社が参加し、最低制限価格以上で最も低価格の入札をした同社が落札した。落札額は直売所が1億850万円、体験エリアが5億6614万8千円だった。工事価格が分かれば最低制限価格を算出できるという。
元職員は2018年3月に定年退職後、同年4月から今年3月まで再任用職員として勤務。19年4月から産業環境課に所属し、2件の工事を担当して工事価格を知り得る立場だった。田中工業を実質的に経営する前社長とは地元の中学の同級生という。
昨年7月、町が発注した工事価格の漏えいに関する情報を県警が入手し、捜査を進めていた。県警は見返りに金銭の授受などがなかったかを含め、余罪について慎重に調べる。
県警は11日夜、鳩山町役場を家宅捜索した。