<新型コロナ>変異株が急拡大、埼玉県内では2週間で倍 20~40代が半数以上、最多は20代の101人
県は12日、3~9日の1週間に県内で新型コロナウイルス変異株感染者が493人確認されたと発表した。変異株PCR検査の陽性率は70・1%(速報値)だった。4月26日からの2週間で確認された変異株感染者数は806人。累計は1454人と4月25日以前と比べ倍に上り、急速な拡大を見せている。
県感染症対策課によると、変異株に感染したのは10歳未満~90代以上の男女。20代が101人で最多で、20~40代が全体の半数以上を占めた。
国は国際的に感染力の強さが立証されているN501Yのみ公表を定めているが、ワクチン効果を弱める可能性が指摘されているE484Kやインドで確認された変異株などの広がりは不明だ。県関係者は「インド株など海外から流入する変異株は空港で食い止めてもらう以外にない」と危機感を強める。県によるとN501Yの変異を持たないインド株は現在のスクリーニング検査では発見できないが、国のゲノム解析では県内の変異株感染者にインド株は見つかっていないという。
N501Yの変異は感染や重症化しやすい可能性があり、英国株などが持つとされている。南アフリカ、ブラジル、フィリピンで確認された変異株はN501YとE484Kの両方の変異を持つ。
県感染症対策課によると、県衛生研究所でも両方の変異を検査で調べることは可能だが、複数の変異について同時に行うことはできない。そのため担当者は「今後、世界保健機関(WHO)や厚生労働省がN501Y以外の変異についても危険性を立証し、公表が義務付けられた場合、導入コストや手間などの負担は増大するだろう」と懸念する。
川南勝彦県感染症対策幹は「引き続きマスクの着用が有効な対策と考えられる」とし、「家庭内や屋外での会食でも人が集まってマスクを外す場面に気を付けてほしい」と呼び掛けた。