埼玉新聞

 

築100年の石蔵を活用、埼玉・小川にサテライトオフィス 交流生まれるサロンに、平日はカフェも営業

  • オープンしたサテライトオフィス「石蔵コワーキングロビーNESTо」=10日、小川町大塚

  • サテライトオフィス「石蔵コワーキングロビーNESTо」のオープニングセレモニーでくす玉を引く松本恒夫町長(左から3人目)ら=8日、小川町大塚

 小川町大塚に10日、築約100年の歴史的建造物の石蔵を保存・活用したサテライトオフィス「石蔵コワーキングロビーNESTо(ネスト)」がオープン。新しい働き方、暮らし方を実践するワークスペースだけではなく、文化発信、地域交流の新たな拠点として期待が寄せられている。

 小川町、竹中工務店(本社・大阪市)、NPO法人あかりえの3者は2019年11月、小川の歴史的建造物、文化、森林資源を有効活用した地域活性化や関係人口の増加などを目的に連携協定を締結。

 昨年、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大、サテライトオフィスなどテレワーク環境の整備や多様な働き方へのニーズが高まった。そこで、3者と石蔵を所有する横田一弘さん(68)が石蔵活用協議会を立ち上げ、石蔵の魅力を生かしたサテライトオフィスを整備した。

 石蔵は1925年の建築で、絹織物などの倉庫として使われていた。大谷石を外壁に使った平屋で、床面積は約170平方メートル。小川産の木材を取り入れるなどして改装。

 Wi-Fiやプリンターを完備した約30席のデスクと、最大8人で利用可能なミーティングルーム、ソファ、まきストープも備えた。平日夜や週末には、ワークショップから上映会、音楽ライブまで幅広く利用できるように、プロジェクターや音響設備も完備。平日はカフェも営業する。

 8日には、松本恒夫町長らが出席、オープニングセレモニーが行われた。横田さんは「町の発展と新しい交流の場として、活用してもらえれば嬉しいです」とあいさつ。

 同施設を運営する、あかりえ代表理事の谷口西欧さん(44)は「(石蔵の)空間の特徴を生かして昼は働く場の顔、夜や休日は文化アートを楽しめるようなもう一つの顔を持ち、地域の文化的な交流が生まれるサロンのような場所にしていけたら」と話す。

 現在、会員募集中。コワーキングプランの利用は登録(無料)が必要。営業時間は平日午前9時~午後6時。2時間550円、1日1100円。7月31日まではフリートライアル期間として無料で試せる。

 問い合わせは、ネスト(電話0493・53・6717)へ。

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