埼玉新聞

 

寿命はおよそ1週間 日本固有のヒメボタル、竹林に光の軌跡描く 県内では秩父や飯能、限られた地域に生息

  • ヒメボタルが描く竹林に出現した「天の川」。草や葉の上で光る雌に向かって飛翔する雄

    ヒメボタルが描く竹林に出現した「天の川」。草や葉の上で光る雌に向かって飛翔する雄=5月31日午前0時過ぎ、秩父市下吉田(写真は比較明合成)

  • ヒメボタルが描く竹林に出現した「天の川」。草や葉の上で光る雌に向かって飛翔する雄

 秩父市下吉田の森や竹林で、美しい光の軌跡を描くヒメボタルが姿を見せている。

 ヒメボタルは、日本固有の陸生のホタル。雌は、はねが退化して飛ぶことができず、飛翔しているのは雄。県レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に記され、県内では秩父や飯能市など限られた地域に生息しているという。

 光は求愛のためのコミュニケーションツールで、フラッシュのような短い点滅がヒメボタルの特徴。撮影時は、午後11時過ぎから発光が始まり、午前0時過ぎにピークを迎え、林の中に「天の川」のような幻想的な光の帯が現れた。

 成虫の寿命はおよそ1週間。ヒメボタルは6月中旬ごろまで観察でき、その後、同地域ではゲンジボタルの光が水辺を彩る。

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