うつ病の娘、母殺害…介護負担、判断力が低下 騒がれぬよう夜出頭…状況理解しているので、うつ病の影響は
2021/05/18/00:00
昨年5月、自宅で母親の首を絞めて殺害したとして、殺人の罪に問われた、さいたま市見沼区春野1丁目、無職の娘(27)の裁判員裁判の論告求刑公判が17日、さいたま地裁(北村和裁判長)で開かれた。検察側は懲役8年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は20日。
論告で検察側は、被告が母親の首にメジャーを複数回巻いて絞め付けるなどした行為を、「強固な殺意に基づいた、執拗(しつよう)かつ危険性が高い犯行。強い非難に値する」と指摘。娘はうつ病と診断されたが、騒がれないために深夜に出頭した点などを鑑み、「状況を正しく理解している。精神障害の影響は相当程度にとどまる」と述べた。
弁護側は、犯行の約1カ月前に自力で立てなくなった母親の介護負担やうつ病の影響で「行動を吟味することが困難で判断力が低下していた」と主張。「強く非難することはできない」と減刑を求めた。
起訴状などによると、娘は昨年5月5日午後5時から同30分ごろ、さいたま市見沼区の自宅で母親=当時(60)=の首を絞めて窒息死させたとされる。