埼玉新聞

 

西武園ゆうえんち、生まれ変わって開業 新鮮で懐かしい空間に、「ゴジラ」テーマの新アトラクションも導入

  • 1960年代の街並みを再現した「夕日の丘商店街」=19日午前、所沢市山口の西武園ゆうえんち

  • 商店街の奥などで行われる紙芝居ショー=19日午前、所沢市山口の西武園ゆうえんち

 西武園ゆうえんち(所沢市山口)が大規模な改修工事を終え19日、開業した。「心あたたまる幸福感に包まれる世界」をコンセプトに園内に1960年代の街並みを再現した。

 午前9時の開園前には、待ちわびた来場者約450人が列をつくった。商店街で繰り広げられる「住人」によるパフォーマンスを通じて来場者は交流を楽しんだ。映画「ゴジラ」をテーマにした新たなアトラクションも導入され、懐かしいけれど新しい空間に生まれ変わった施設を訪れた人たちは満喫していた。

 新型コロナウイルス感染症予防対策として、31日まで入場者数は最大5千人とし、上限に達した時点で入園券の販売を中断するなど対策を実施した上で運営される。

■小さい頃過ごした商店街の雰囲気

 改修工事が進められていた所沢市の西武園ゆうえんちが19日、リニューアルオープンした。訪れた来場者たちは「昭和レトロの雰囲気を遊園地に落とし込んでいて面白い」「自分が小さい頃に過ごした商店街の雰囲気」と、若い世代にとっては新鮮で、昭和の時代を知る世代には懐かしく感じられる空間に生まれ変わった施設を思い思いに楽しんだ。

 鉄橋をイメージした入場口から園内に入ると、1960年代の街並みを再現した「夕日の丘商店街」が広がる。おせっかいで人情味あふれる「住人」たちが来場者を巻き込みながらパフォーマンスを繰り広げた。園内通貨「西武園通貨」も導入され、飲食や買い物といった体験もアトラクションの一つとして楽しめるようにしている。

 「八百屋のたたき売り」で「住人」と交流を楽しんでいた東京都杉並区の大学生小林和典さん(21)は「自分の知らない文化を知ることができる。昭和は活気にあふれていて、人情味もあったんだなと感じた」と昭和の雰囲気を楽しんでいた。

 夫妻で訪れていた新座市のアルバイト服部仁さん(76)は「昭和の商店街はこのような雰囲気だった。お店に並んでいる商品の値段を見て、自分が体験した時代の時と見比べることができて面白い」と話していた。

 西武園ゆうえんちは50年に開業。88年度には年間約194万人が来場していたが、2018年度の入場者数は約49万人となっていた。大規模なリニューアルは開園70周年の記念事業として行われ、西武グループの拠点の一つである所沢を、西武園ゆうえんちを起点に「訪れたい場所」にするとともに埼玉を中心とした地域の活性化に貢献する狙いがある。

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