埼玉新聞

 

意識不明…「大丈夫」と言って男性倒れる 偶然いた医療従事者2人、5分で意識回復させる 慌てぬ姿に称賛

  • 人命救助の功労で近藤峰彦運転免許本部長(右)から感謝状を受けた大西好江さん(左)と新井玲子さん(中央)=17日、鴻巣市の県警運転免許センター

 鴻巣市の県警運転免許センター(近藤峰彦運転免許本部長)は17日、講習受講中に倒れて意識不明となった急病人の男性(67)を的確な救命措置で救ったとして、熊谷市の医療従事者大西好江さん(66)と行田市の医療従事者新井玲子さん(25)に、感謝状を贈った。2人は初対面だったが、突然の出来事にも慌てず、息をぴったり合わせて的確な処置を施した。

 2人は4月27日、運転免許更新のために免許センターを訪れていた。同日午前10時20分ごろ、3階で講習が始まって間もなく、男性が座っていたいすから転げ落ちるように倒れ、意識を失った。2人はお互い面識がなかったが、すぐに免許センター職員と共に救命措置に努めた。

 「男性を寝かせて、ベルトを緩めて、おなかの動きを見た。呼吸もしてないようだと感じた」と大西さん。新井さんは「私が最初に心臓マッサージをした。交代して続けると、息が戻り、5分くらいで意識が戻った」と当時の様子を話した。男性はすぐに救急搬送され、大事には至らなかった。

 大西さんによると、男性は講習の前にもふらふらしている様子があり、気に掛けていた。男性が「大丈夫」と言っていすに座った後、しばらくして倒れたという。

 上尾市内の病院で働いている大西さんは「自分の仕事が役立ってうれしい」とにっこり。新井さんは北本市の病院で働いており、「人の役に立てて良かった。今後も、緊急時に適切な対応ができるように努力したい」とつなげた。 近藤本部長は「2人の勇気ある迅速な行動が男性の命を救った。心よりお礼を言いたい」と感謝した。

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