埼玉新聞

 

差別の文章、抗議が…さいたま市、ふるさと納税の返礼品からDHC取り消す 文章変更も疑念晴らせず

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 化粧品会社ディーエイチシー(DHC、東京都港区)のウェブサイトに、吉田嘉明会長名で在日コリアンを差別する文章が掲載されている問題で、同社製品をふるさと納税の返礼品に採用しているさいたま市は「返礼品として、ふさわしくない」として、25日付で登録を取り消した。同市が今回のような問題で、登録を取り消したのは初めて。

 市財政課によると、掲載された文章について、問い合わせや抗議が市に寄せられ、4月から複数回にわたってDHC側に真意を確認していた。今月21日までに回答すると返事があり、電話で問い合わせたところ、サイトの文章を一部削除したと説明を受けたという。サイトを確認した市は「疑念を晴らすものではなく、十分に説明を尽くしていない」として、24日に登録の取り消しを決定し、DHCに連絡した。同社は「分かりました」と答えたという。

 同課の担当者は「市民や寄付者に混乱を与えたり、疑念を抱かせた。文章を見て不快な思いをして、問い合わせや抗議が寄せられたのは事実。お礼の品は寄付への感謝を示すもので、シティーセールスの観点から、ふさわしくないと判断した」と話している。

 市は2017年7月にふるさと納税の商品を公募。岩槻区に生産工場のあるDHCが応募して同月に採用され、取り消されるまでは化粧品など6商品が返礼品として扱われていた。今月21日までに、443件約2100万円分の申し込みがあった。

 DHC広報部は埼玉新聞の取材に「社内で確認を取る必要があり、回答には数日を要する」としている。

 DHCの文章を巡っては、高知県南国市が「不適切」と判断し、同社と結んでいた包括連携協定を解消する方針を示すなどしている。

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