埼玉新聞

 

シェアキッチン「ジャズ喫茶『中庭』」、北本にオープン ミュージシャン運営、店内で生演奏

  • シェアキッチンを担当する落合加奈子さん(左から2人目)と康介さん(中央)を囲むスタッフら。左端は三宮幸雄市長=北本市栄の北本団地

 北本市の若手有志でつくるまちづくり会社「暮らしの編集室」が23日、同市栄の北本団地に地域の活動拠点となるシェアキッチン「ジャズ喫茶『中庭』」をオープンした。協力者などを招いてお披露目会を開いた。

 編集室は、「活動の中からまちに楽しみをつくりだす」をテーマに、2019年6月に有志で結成した。メンバーは、カメラマンの渡部勇介さん(34)、同市観光協会の岡野高志さん(34)、建築家の若山範一さん(33)の3人。昨年4月に合同会社にした。

 編集室と北本市、UR都市機構、良品計画、MUJIHOUSEの5者連携事業による「北本団地活性化プロジェクト」で実現。改装は、「ふるさと納税型クラウドファンディング」の寄付金約200万円が充てられた。

 ジャズ喫茶「中庭」を運営するのは、ジャズミュージシャンの落合康介さん(34)とシェアキッチンを担当する妻の加奈子さん(35)。落合さん夫婦は、東京都杉並区西荻窪から転居し、4月から移り住んでいる。

 康介さんは「編集室の渡部さんの紹介で出店を決めた。店にはグランドピアノも置いた。生演奏はもちろん、いろんなイベントや交流ができる場所にしたい」とにっこり。西荻窪でシェアキッチンをしていた加奈子さんも「集まる人が楽しくなり、長く続くような店にしたい」と話した。

 編集室の岡野さんは北本団地在住で、団地への思いは人一倍強い。「北本市やURなどと一緒にプロジェクトを進めた。住んで良かったと思える場所にしたい」と話した。同団地在住者でもあるプロジェクトメンバーの吉川将太さん(34)は「団地に住む人、離れた人の居場所になるようにしたい。活性化につなげたい」と期待を寄せた。

 北本団地は2千戸を超える大型団地だが、近年は高齢化や少子化が目立ち、団地の中心にある商店街はシャッター街になっている。

 三宮幸雄市長は「UR都市機構などと連携してシェアキッチンをつくらせてもらった。ここから北本団地の未来、北本市の未来が変わってくると確信している」と話した。

 問い合わせは、編集室の岡野さん(電話090・5406・1119)へ。

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