「調査に影響出る」黒塗りで文書開示 さいたま市の市有地の不適正売却 2年前の5月に市長宛ての要望書
2024/06/17/08:42
さいたま市の市有地が不適正に売却された問題を巡り、2022年5月25日付で清水勇人市長宛ての要望書が提出されていたことが14日、分かった。埼玉新聞社は情報公開請求で要望書の公開を請求し、市は14日、「調査に影響が出る」として、4ページある要望書の大部分を黒塗り処理して、写しを開示した。
要望書は22年5月25日付で、担当の与野まちづくり事務所の収受印が押されている。不適正な市有地売却に関連する要望書は他にないという。行政情報一部開示決定通知書には、開示しない部分について「要望書発信元、要望の個所及び内容、印影」と記載されている。事案の核心部分が含まれているとされ、市側は「公にすることにより、調査に影響が出る」と開示しない理由を説明した。
市によると、与野駅西口土地区画整理事業で、必要な決裁など市の意思決定がなされず、市有地が今年1月10日に売却されていた。同事務所の土地区画整理事業担当だった男性職員が関与した可能性があり、土地売却の契約書には、市長印が押されていた。1月23日には所有権移転登記の手続きが行われ、同事務所長の決裁印が押されていた。売却相手は地区内権利者で、事務所に来所していたという。
市は4月25日に問題を把握し、5月23日に調査検討会議を設置。清水市長は今月5日の市議会6月定例会本会議での行政報告で、「告発状の提出も視野に検討している」と述べている。