埼玉新聞

 

<新型コロナ>ありがとう…無料の食料、困窮市民に 埼玉・蕨市社協がフードパントリー「本当に助かる」

  • 雨の中のフードパントリー。生理用品も用意した=27日、蕨市錦町

 蕨市社会福祉協議会は、コロナ禍で生活困窮の市民に食料を無料で提供するフードパントリーを、同市錦町の市総合社会福祉センターで開いた。雨のため、コロナ感染対策で普段は閉め切っていた正面玄関のスペースにテーブルを置いて、訪れた市民に大きな紙袋に入った食料を手渡した。

 同センターには、午前9時~午後5時までに市民が訪れ「ありがとう」「助かります」と感謝を述べながら紙袋を受け取っていた。

 自転車で訪れた30代の女性は都内の観光会社で正社員だったが、1年前に会社から「給料は半額。その代わりアルバイトや副業はOK。しばらく頑張ってくれ」と言われたという。

 「会社からいつ呼び出しがあるか分からないためバイトはできない。貯金もない。無利子でお金を借りようとインターネットで市のホームページを見てこのイベントを見つけた。頂けるなら頂きたいと思って。本当に助かります」と話した。

 事前予約制で、120袋を用意した。中には、レトルトカレー5食、サバの味付け缶詰3個、イワシみそ味缶詰2個、パックご飯10個、カップ麺5個など。大手飲食品メーカーの飲料水も入った。女性のための生理用品も用意した。

 同社協地域福祉課長の萩原勇一朗さん(54)は「社協としては初めてで第1回目のフードパントリーです。これから地域への支援活動として続けていきます」と話した。

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