埼玉新聞

 

広まるか立体囲碁 話題のゲーム、22日に体験会 蕨の会社員考案 実用新案登録

  • 正十二面体の碁盤で楽しむ新感覚の立体囲碁「玉碁」と考案者の中尾誠さん

    正十二面体の碁盤で楽しむ新感覚の立体囲碁「玉碁」と考案者の中尾誠さん

  • 正十二面体の碁盤で楽しむ新感覚の立体囲碁「玉碁」と考案者の中尾誠さん

 蕨市の会社員中尾誠さん(42)が考案した立体囲碁「玉碁(たまご)」が話題となっている。中尾さんは「皆さまで玉碁を育てていただけるとうれしい」と話し、これまでにない新たな遊び方の考案や、それぞれの楽しみ方を見つけてほしいと呼びかけている。

 「玉碁」は、ロッドと呼ばれる細長い棒の五角形が二重の正十二面体を形作る、ユニークで全く新しいゲーム。碁石を置く場所は40カ所で、石をつなげ、たくさん打てた方が勝ちとなる「玉碁つなぎ」や、石をつなげ陣地を作る「玉碁の輪」などの遊び方がある。

 中学時代に囲碁を始めたという中尾さんは2016年5月に東京都内で行われた「アナログゲームを作るラボ」に参加。ゲストとして招かれていた日本棋院所属棋士の林漢傑さんに立体囲碁のアイデアを話したところ「面白そうですね」と言われたことを機に、開発をスタートさせた。

 初めは綿棒をつなげて試作し、木工好きの友人の協力を得て立体を作成。その後、交点の裏表にどう碁石をくっつけるかを考え、マジックテープや磁石を使うなどの試行錯誤を経て、交点を回転させる仕様を開発した。そして相手より多く陣地を取るなど、囲碁の勝敗ルールよりもシンプルにし「先に置けなくなった方が負け」とする考え方を導き出した。開発やルール考案を通じ中尾さんは「私ももう一度、囲碁がある程度打てるように勉強し直したい」と思うようになったという。

 アイデアは立体ゲームとして20年に実用新案登録。23年には普及促進を目指す「日本玉碁協会」も発足し、メーカーとの共同企画・開発を経て同年、店頭販売を開始した。

 中尾さんは、「身近に親しまれ遊べるオブジェとして、玉碁がさまざまなご家庭で笑顔が生まれるきっかけになれば、考案者として望外の喜び」と話す。

 「玉碁」は22日午後1時半から、蕨市福祉・児童センターで行われる催し「いご・しょうぎマン」で体験できるほか、東京都渋谷区代々木2丁目のボードゲームカフェ「リトルケイブ新宿南口店」などで楽しむことができる。

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