<上尾熱中症放置死>思い込みなどで男性6時間車内に放置、元運転手と職員が認める/さいたま地裁
2019/04/02/00:00
上尾市の障害者支援施設で2017年、男性利用者=当時(19)=が送迎車内に放置され、熱中症で死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた、白岡市篠津、施設職員の男(39)と、さいたま市北区、元運転手の男(75)の初公判が1日、さいたま地裁(石井俊和裁判長)で開かれ、両被告は起訴内容を認めた。
スーツ姿で入廷した両被告。石井裁判長に起訴内容について問われた職員の男はメモを読み上げ、「公訴事実に間違いない。(男性が)欠席だと思って出席確認を怠りました。しかし施設としても出席確認業務がきちんと行われていなかったことを述べておきます」と、施設側の出席のチェック体制に不備があったことも指摘した。
検察側は冒頭陳述で、施設のサービス管理責任者だった職員の男が、保護者からの欠席の連絡や運転手から送迎車に乗車させなかったなどの報告を受けていないにもかかわらず、男性の所在を確認しなかった点を指摘。
送迎車の運転手だった男については「眠り込んでいた被害者に声を掛けるにとどまり、ほかの利用者と共に誘導し終えたと軽信した」とそれぞれの過失を主張した。
起訴状などによると、元運転手の男は17年7月13日午前、送迎車で同施設「コスモス・アース」(生活介護とさきに改称)まで男性らを送り届けたが、建物内まで誘導することを怠って施錠した送迎車から離れ、職員の男は男性が遅刻か欠席したものと思い込んで所在を確認せず、男性を約6時間車内に放置し、熱中症で死亡させたとされる。