埼玉新聞

 

ユニクロ、命の危険と優先順位は 服のリサイクル通じて考える 難民支援で中学生98人に特別授業 埼玉・戸田

  • 「持ち出すもの、優先順位」について話し合い、難民支援に必要なことを考える生徒たち=21日午後、戸田市美女木の市立美笹中学校

    「持ち出すもの、優先順位」について話し合い、難民支援に必要なことを考える生徒たち=21日午後、戸田市美女木の市立美笹中学校

  • 「持ち出すもの、優先順位」について話し合い、難民支援に必要なことを考える生徒たち=21日午後、戸田市美女木の市立美笹中学校

 戸田市美女木の市立美笹中学校で21日、衣類のリサイクル通じて難民について考える特別授業が行われ、2年生の生徒98人が世界の難民問題と社会貢献活動を考えた。

 特別授業は国連が定める6月20日の「世界難民の日」の翌日、衣料品店ユニクロなどを運営するファーストリテイリング(山口市)グループが実施。ユニクロイオンモール北戸田店の古賀博貴店長が講師を務めた。グループでは2006年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と共同で難民に対する支援を開始し、11年にはグローバルパートナーシップ協定を結び、服のリサイクルを通じた難民支援を行っている。

 講義では紛争や迫害などで自国を追われた難民が世界に1億人以上いることなど、難民の現状を説明。続いて生徒が「紛争が起きて自分の住むまちを出て急いで逃げないと命の危険にさらされる。水、食料、衣服、お金、スマホ、薬、家族の写真のうち、最も必要なアイテムは、優先順位は」とする想定で話し合いを行い、グループごとの意見を発表した。

 古賀さんは難民それぞれに必要なものは違うこと、自分たちのこれまでの支援や、それでも衣料支援が行き届いていないことを述べ「きょうの学びを通じて自分たちにできることを考えてほしい」と呼びかけた。

 授業に参加した同校2年の松澤朋毅さん(13)は「難民については知っていたが、服の支援があることは知らなかった。戦争や紛争でいつ自分がそうなってもおかしくない。こうしたことを視野に今後、生活したい」と話す。同2年の松浦愛花さん(13)は「世界の難民の数が日本の人口と同じくらいと聞いて驚いている。グループワークではそれぞれの意見を出せた。支援を通じ難民となった皆さんに笑顔を届けたい」と話した。

ツイート シェア シェア