ベイシア、「ブリヒラ」本格販売 近大と連携 ブリのうま味とヒラマサの歯応え、夏場に脂のる
2021/06/17/00:00
ベイシア(前橋市)は16日から、ブリとヒラマサの交雑種「ブリヒラ」の本格販売を始めた。完全養殖の「近大マグロ」で知られる近畿大学(大阪府)の水産研究所が開発した魚種で、安定生産のための必要量が確保できる見通しが立ち、通常販売が可能となった。産学が連携してハイブリッド種の本格的な生産から販売までを実現したのは世界初。天然物の枯渇が懸念される中、海から稚魚を取らないなど水産資源を全く消費しない養殖水産物の普及に貢献する。
ブリヒラは、持続的な魚類の供給へ人工種苗による魚類養殖を重視する近大が、1970年に開発した。ブリのメスとヒラマサのオスの交配で生まれる。ブリのうま味とヒラマサの歯応えがあるほか、夏場に脂がのるヒラマサの強みも兼ね備える。
ベイシアは2017年、近大の関連企業の食縁(和歌山県)と協定を締結。高知県内の生産者からの買い取りを条件に、生産拡大を目指してきた。19年に限定販売するなど消費者動向の把握にも注力。生産量は18年に1千匹だったが、21年は5万匹以上の確保の見通しが立ち、本格販売を決めた。
100グラムの柵494円(税込み)、刺し身7切れと生すし5貫を共に429円(同)を県内25店含む、ほぼ全店で販売する。