<大宮立てこもり>発生32時間…監禁の疑い、男を逮捕 埼玉県警、寝たと判断し突入 人質の女性を保護
大宮駅前のインターネットカフェで男が女性従業員を人質にして立てこもった事件で、県警捜査1課と大宮署の合同捜査班は、発生から約32時間たった18日夜、現場の個室内に突入、19日までに、監禁の疑いで、住居不定、無職の男(40)を現行犯逮捕した。人質になっていた20代女性従業員は保護され、病院に搬送されたものの、目立った外傷はないという。
県警は、男が女性を解放して投降するよう説得交渉を継続。男が寝静まったのを見計らい、ドアの鍵を壊して突入し、18日午後10時37分ごろ、身柄を確保した。男や女性らから事情を聴くとともに、現場の状況を調べるなどして、犯行の動機や経緯を明らかにする。
逮捕容疑は、17日午後2時23分ごろから18日午後10時37分ごろまでの間、さいたま市大宮区桜木1丁目のネットカフェ「マンボープラス大宮西口店」の個室に女性従業員を不法に監禁した疑い。
同課によると、男は立てこもり中、県警の捜査員に「ナイフを持っている」「けがをさせる」「一緒に死ぬ」などと女性に危害を加えることを示唆。金銭や逃走車両などの要求はなかった。
店側はマスターキーで個室のドアを開けようとしたものの、途中までしか入らなかったという。内側から鍵穴に細工をしていたとみられる。
男は17日午前10時ごろ、会員証を提示して入店。午後2時すぎに女性に声を掛けて個室内に引き入れた。
女性が戻ってこないことを不審に思った店側が同日午後4時8分ごろ、「女性従業員が客に呼ばれてブースに入り、以後応答がない」と110番した。
店は雑居ビルの6階と7階。男は7階の奥の方にある個室に立てこもった。広さは約3平方メートル。完全な密閉空間で防音構造となっており、外から中の様子がうかがえない状態だった。
県警は主に部屋と6階の受け付けを結ぶインターホンを通して男と接触。約30分~1時間ごとに連絡を取り、女性については声を聞かせてもらって安全を確認していた。
男は「出るので待ってくれ」「30分待って」などと時間を引き延ばすように対応。18日午後8時ごろ、「寝る」「休む」と言ったきり連絡を途絶えさせた。
県警は男が寝静まったと判断して特殊工具を使って数秒でドアの鍵を開錠し、男を部屋から引きずり出した。