埼玉新聞

 

<大宮立てこもり>容疑の男を逮捕 金曜夜の繁華街、騒然…見物人増え、スマホで撮影する人も/埼玉県警

  • ビルから出てきた男をブルーシートで囲む捜査員ら=18日午後10時46分ごろ、さいたま市大宮区

 大宮駅前のインターネットカフェで男が女性従業員を人質にして立てこもった事件で、県警捜査1課と大宮署の合同捜査班は、発生から約32時間たった18日夜、現場の個室内に突入、19日までに、監禁の疑いで、住居不定、無職の男(40)を現行犯逮捕した。人質になっていた20代女性従業員は保護され、病院に搬送されたものの、目立った外傷はないという。

■30時間超、膠着破る

 30時間以上に及ぶ膠着(こうちゃく)状態に変化が訪れたのは18日午後10時38分ごろ。立てこもりの現場付近に待機していた捜査員らの動きが一斉に慌ただしくなり、ブルーシートを手にビルの入り口付近に集まり始めた。

 緊張が高まる中、同日午後10時45分ごろ、男(40)が捜査員に囲まれて出てきた。ブルーシートに隠れて詳しい様子は確認できない。報道陣のカメラのフラッシュを浴びながら警察車両に乗せられ、現場を後にした。

 騒然とする金曜夜の繁華街。ニュース速報で知ったのか、現場を取り囲む見物人たちの数も増え、スマートフォンで撮影する人も。その後、大きな荷物を手にした捜査員が続々とビルから出てきた。

 約1時間後、救急隊員や捜査員がブルーシートを準備し、保護された女性が外へ。ストレッチャーで運び出されたとみられ、病院へ搬送された。

■まさか!ここで立てこもりが

 現場近くのさいたま市西区に住む会社員の男性(45)は17日から気になっていたといい、帰宅後に現場へ。「比較的安全なイメージだったので、まさかここで立てこもりが起きるとは」と驚いた様子。男の確保と人質の女性の保護をニュース速報で聞き「ひとまず安心。不幸中の幸いです」と胸をなで下ろした。

 同市浦和区の会社員の女性(32)は「被害者は狭い空間で丸1日一緒にいて、とても怖かったと思う」と保護された女性を気遣い、男については「動機が気になる」と話した。

ツイート シェア シェア