埼玉新聞

 

感極まり外すのも音楽 日本を代表するチェロ奏者、埼玉・所沢の高校で演奏披露「自分しかできない演奏を」

  • 生徒の前で演奏する宮田大さん=18日、所沢市三ケ島の県立芸術総合高校

 日本を代表するチェロ奏者の宮田大さん(34)が18日、所沢市三ケ島の県立芸術総合高校を訪れミニコンサートと公開レッスンを行った。生徒たちは宮田さんが奏でる、リズミカルで五感に響くチェロの音色に聞き入っていた。

 宮田さんは2009年、チェロの国際コンクールで日本人として初めて優勝し、日本のみならず、国際的に活躍している。今月27日には所沢市民文化センターミューズでコンサートが行われる。

 宮田さんの同校への訪問は新型コロナウイルス感染症の影響で演奏会の中止や活動の制限を受けている生徒たちを励まそうと同校と連携協定を結んでいるミューズが企画した。

 ミニコンサートには同校音楽科の1~3年生の生徒約80人が参加。1698年製のストラディバリウスを手にした宮田さんが「アヴェ・マリア」や「白鳥」など5曲を披露した。

 ミニコンサート後には代表の生徒2人に対して公開レッスンを行い、宮田さんは生徒の演奏に時折うなずきながら聞き入り、アドバイスを送った。宮田さんは「練習不足で間違えるのではなく、感極まって音を外すのも音楽のひとつ。これからも自分の演奏を貫いて自分にしかできない演奏をしてほしい」と生徒たちへエールを送った。

 公開レッスンを受けた同校3年の山田桃樺さん(17)はフルートを演奏した。「対面でレッスンを受けられる大切さを感じた。個性を出すことや表現の仕方を学んだので今後につなげたい」と話していた。

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