埼玉県庁の位置、今年度中に目途 移転のメリット、デメリット検討 老朽化、再整備で知事 県民アンケートへ
大野元裕県知事は27日、県議会6月定例会で、老朽化などの課題を抱える県庁本庁舎(さいたま市浦和区)の再整備について、「県民アンケートを実施し、会議体を新たに設置する。今年度中をめどに、位置について一定の方向性を示したい」と述べた。関根信明県議(自民)の一般質問に答えた。
県庁本庁舎は2031年度に目標使用年数の80年を迎えることから、県は21年度に県庁舎再整備検討委員会を設置。デジタルトランスフォーメーション(DX)を前提とした県庁舎のあるべき姿について議論を進めてきた。6日に行われた第3回専門家会議では現在地での建て替えと移転の2手法についてそれぞれのメリット・デメリットが比較検討された。
関根氏の「歴史的経緯や交通の利便性など、県庁舎の位置に関する重要課題が多々ある。専門家だけでなく、広く声を聴く場を設置していくべき」との質問に、大野知事は「できるだけ早く完成までのスケジュールを示したい。再整備に関する県民アンケートを実施し、直接県民の声をお伺いする。県行政に深く関わりのある団体の代表者からなる会議体を新たに設置し、意見を賜る」と答弁した。
県管財課によると、県民アンケートは県ホームページからアクセスする無記名のウェブアンケート方式で、県内在住・在勤・在学者を対象に、早ければ7月から約1カ月間ほどの実施を想定している。新たに設置する会議体は、産業、福祉、農林分野など県行政と深く関わりのある団体から代表者20人以内を目安に選定するという。
同課の平岩亮司課長は「11月には1回目の会議をやりたい。県庁舎の位置やあるべき姿について、最終的には県がいろいろな意見をトータルに判断し、基本構想をつくっていくことになる」と話した。
県では「未来の県庁の先行モデル」として北部地域の産業振興や交流の活性化を図る北部地域振興交流拠点(熊谷市)の基本構想策定を進めているほか、新たな庁舎の在り方の検討に活用する目的で、業務に応じて働く場所を選べるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)型働き方改革や働き方に関する指標を可視化するワークエンゲージメント調査を行っている。