がってん寿司が高級食パン 急拡大の市場へ独自性ある食パンで参入 焦がしバター食パン専門店で製造、販売
「がってん寿司」など複数の外食形態を展開するRDCホールディングス(熊谷市)は5月末から、高級食パン事業に参入した。高級食パン専門店などを全国各地で手掛ける企業と連携し、独自性のある食パンを開発。カフェ形態「ヒナノ珈琲」(鶴ケ島市)に併設の「焦がしバター食パン専門店 BROWN BUTTER(ブラウンバター)」で製造、販売する。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食客が減る中、従来のブームによる贈答用ニーズに加え、外出自粛の広がりで持ち帰り需要も高い高級食パン市場。競合他社の参入も相次ぐ中、独自性を訴求し、新たな収益源の確保につなげる。
焼きたてパン店「やまびこベーカリー」、高級食パン専門店「非常識」などを手掛けるオペレーションファクトリー(大阪市)にプロデュースを依頼した。国内では珍しい、素材を溶かすことで濃厚さが増す「焦がしバター」や、使う水分がほぼミルクで作り上げた「焦がしバター食パン」を開発した。食材は産地にこだわらず、コンセプトを表現できる物を使う。
商品はともに1・5斤の「#125 プレーン」(税込み810円)と、「#140 レーズン」(同1026円)の2種。1日当たり150本程度を店で焼き上げ、販売する。購入と受け渡しは店内のみ。カフェ店にパンの店を加えることによる店舗運営の効率化、パンの購入を消費者の来店動機とし、店全体の収益の底上げを狙う。
今後の出店計画は新店舗の運営状況を踏まえ、検討する方針。同社は「国内でも珍しい、こだわりの食パンを開発した。カフェ店とパンの専門店が併設の利点を生かして、外食やテークアウトの需要を掘り起せるよう、改善に努めていきたい」としている。
1斤500円程度が主流の高級食パン。2013年に開業の乃が美、パン店プロデューサーによる専門店に加え、神戸屋(大阪市)など大手パン店も新規メニューを開発し、市場規模は急拡大。調査会社の富士経済(東京・中央)は、20年の市場規模を18年比で2倍弱の255億円と見込んでいる。