埼玉新聞

 

人気の「角川食堂」、コロナと対峙する埼玉・所沢の病院へ食事券 看護師らにエール「温かい食事楽しんで」

  • 津々見さん(中央右)ら角川食堂のスタッフから特別食事券を受け取る糸川院長(同左)と病院関係者ら=23日、所沢市下安松の所沢第一病院

 所沢市にあるKADOKAWA運営の大型複合施設「ところざわサクラタウン」内の「角川食堂」は23日、地元の所沢第一病院=糸川牧夫院長(43)=の医療従事者らに、千円分の食事券100枚(計10万円分)を贈呈した。

 同食堂は、新型コロナウイルス感染防止対策への取り組みとして、昨年10月から隔週でスタッフにPCR検査を実施。同病院が担当している。同年8月にオープン以来、人気を集める同食堂は今年5月、同社の角川歴彦会長から特別賞を受けた。

 「スタッフと受賞の喜びを分かち合った後、『賞金は日頃お世話になっている、第一病院の皆さんへの感謝とエールに』と提案し、すぐに全員一致で決まった」と明かすのは、同食堂プロジェクトリーダーの津々見潤子さん(49)。「地域の医療がしっかりしているからこそ、食堂も成り立っている」と話した。

 弁当の提供も検討したというが「激務の中、つかの間でも出来たての温かな食事を楽しんでもらえたら」との願いを込め、賞金を生かし一枚千円の特別食事券を作成した。

 食事券を受け取った臨床検査技師長の佐藤俊行さん(56)や看護部長の岡部由美さん(60)らは「必死にコロナと対峙(たいじ)している。皆さんの思いが詰まった支援を頂き、本当にありがたい」と感激の面持ち。看護師らからは「角川食堂には忙しくて足を運べずにいたが、カレーがずっと気になっていた」など、喜びの声が上がった。

 糸川院長は「職員一同、身を粉にして頑張っている。所沢にKADOKAWAが来てくれて明るくなった。共に協力し合いながら、地域の役に立てたらうれしい。これから更に、ワクチン接種へ力を入れていこうと思う」と語った。

ツイート シェア シェア