埼玉新聞

 

性行為を20代女性に迫る「誠意を見せて」元巡査部長に執行猶予 女性を懲らしめるためとの主張に裁判官は

  • 【地図】羽生市

    元巡査部長に執行猶予 商業施設で強制わいせつ未遂=羽生市

  • 【地図】羽生市

 公務を通じて連絡先を知った20代の女性を駐車場に呼び出し、車内で体を触ろうとしたとして、強制わいせつ未遂の罪に問われた羽生署地域課須影駐在所の元巡査部長、池田高秀被告(34)=羽生市須影、懲戒免職=の判決公判が1日、さいたま地裁で開かれ、菅原暁裁判官は懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)を言い渡した。

 判決理由で菅原裁判官は、池田被告が女性に窃盗の前歴があることに付け込み、警察に通報しない代わりに性行為に応じるよう脅したと説明。女性を懲らしめるためとの供述もあったが、「法令にのっとって捜査などの職務にいそしむべきで、動機に酌むべき事情はない」と強調した。一方で犯行は未遂にとどまり、80万円を支払って示談が成立していることなどから、「直ちに実刑に処するのは相当ではない」とした。

 弁護側は全て正直に供述している点や真摯(しんし)に反省している態度などを考慮し、執行猶予付きの判決を求めていた。

 判決によると、池田被告は4月4日、被害店舗の関係者を装い、女性に電話して羽生市内の商業施設に呼び出し、駐車場に止めた車の中で「それなりの誠意を見せてもらいたい。体触らせてくれるぐらいでいいよ」などと脅し、わいせつ行為をしようとした。

ツイート シェア シェア