埼玉新聞

 

8年連続の赤字も、赤字幅は5年連続で縮小…埼玉県立4病院 コロナで患者減も「損失を抑えられた」

  • 県立4病院が赤字 コロナで患者減も「損失を抑えられた」

 県保健医療政策課は6月30日、県立4病院(循環器・呼吸器病センター、がんセンター、小児医療センター、精神医療センター)の2020年度病院事業会計決算を発表した。病院事業全体の純損益は約2億2100万円のマイナスで、8年連続の赤字となったが、赤字幅は5年連続で縮小した。新型コロナウイルスの影響で患者数が減少したことなどにより医業収益は前年度比23億円減の404億円となった。

 県は21年度から県病院局を独立行政法人化し、県立病院機構で4病院を運営している。

 全体の病院事業収益は同比11億5100万円増の590億5400万円で、病院事業費用は同比1億5500万円の592億7500万円だった。赤字は前年度から13億円改善した。

 空床補償など感染症関連の国の補てんが増加した結果、補助金は前年度比23億円増の25億円となった。また、独立行政法人化に伴い退職給付引当金が増加することに備え、一般会計繰入金135億円(同比8億円増)を計上。医業外収益は計184億円(同比34億円増)となった。病院の経営状況を示す医業収支比率は72・4%と、前年度より4・4ポイント悪化した。

 同課は「がんセンター、小児医療センターの移転の影響が落ち着き、運営が軌道に乗ってきた。4病院は本来の高度医療と並行してコロナ患者の受け入れも行っており、損失を抑えられたと考えている」と話している。

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