埼玉新聞

 

山田うどんがタンメン専門店、埼玉・所沢に15日開業 女性や家族層などを対象、店舗も農家風に演出

  • 山田食品産業が所沢市内に開設するタンメン専門店「埼玉タンメン 山田太郎」の外観(同社提供)

 「ファミリー食堂山田うどん食堂」などを運営する山田食品産業(所沢市)は、同市内にタンメン専門店「埼玉タンメン 山田太郎」を15日に開業すると発表した。子育て世帯を軸に家族層を主な対象にした新業態。県産ブランド「彩の国黒豚」をはじめ、食材は国産にこだわり、栄養バランスに配慮したメニューを提供する。店舗も農家風の内外装の演出に腐心した。男性客が中心の既存店との違いを出して、近隣で働く女性やその同伴者、家族層など、これまで取り込めていなかった層の開拓を進める。

 「山田太郎」は同市中富南にある。ラーメンが中心の「らーめん食堂 かかし」だった店舗を改修した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、繁華街の営業が振るわない競合他社が、人混みを回避し自家用車で移動する家族客の需要取り込みへ、郊外のロードサイドへの出店を強める。山田食品産業の店舗の大半が郊外に出店しており、新業態は中長期的な視点で他社との差別化を図る狙いもあるようだ。

 提供する主力の麺類は塩味やミソ味のタンメンなど8品。タンメンの主要食材のキャベツやニンジンなどの野菜は国産、麺は北海道産の小麦を自社工場(入間市)で同店専用に製麺したものを用いる。野菜の量は注文時に調節できる。

 県産食材の普及にも一役買う。彩の国黒豚を使ったギョーザ定食や鉄板に盛り付けた焼肉定食を用意。ギョーザの皮は麺と同じく北海道産小麦で作られている。品質や安全性が高いと認識される国産食材を多く使うことを強みとして打ち出し、集客につなげる。

 店舗の建物は「農家レストラン」をテーマに、女性が入りやすい店を目指して改装した。外観は郊外の農家の邸宅をイメージ。席数は50席程で、内装は農家の台所をコンセプトに、床や椅子など内装に木材を多めに使い、温かみのある空間を演出する。中華鍋で炒める様子が調理場から伝わるような、ライブ感にもこだわった店舗構造。スマホ注文などデジタル化も推進する。

 「ファミリー食堂山田うどん食堂」といえば、男性客向けのイメージが強い。料理の量も多めで、女性客にはなかなか入りづらい雰囲気がある。イメージから脱却を図るため、女性社員の意見も多く反映し、国産食材を使う健康志向のメニューを提供し、女性でも入りやすい空間がある、温かみを感じられる新業態を開発した。

 「山田太郎」の売り上げ目標は、1カ月当たり800万円。この店舗で運営体制を固めながら店舗開発を進め、郊外を軸に出店を進める。既存の「ファミリー食堂山田うどん食堂」からの業態転換も検討する考えだ。

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