埼玉新聞

 

人気!商店のトロッコ「横丁鉄道」 幸手の酒店、現在も現役で活躍 お土産に御朱印風スタンプを販売

  • 荷物を運搬するためのトロッコが今も活躍する永文商店

  • 「トロッコ鉄印」

 1903年に創業し、100年以上にわたり店舗にトロッコがある埼玉県幸手市の酒店「永文商店」(永島宗太郎社長)が、御朱印風のスタンプ「トロッコ鉄印」(税込み300円)を作製し、販売を始めた。「横丁鉄道」の愛称で親しまれている名物のトロッコを活用し、観光振興につなげたい考えだ。

 永島社長の長女で広報担当の加藤史子さん(32)は「トロッコ鉄印」について「御朱印やスタンプが注目を集めている中、何か記念、お土産になるものができれば」ときっかけを話した。

 トロッコ鉄印ははがき大の大きさでフルカラー。「幸手横丁鐵(てつ)道」の文字の背景に、地元の観光名所、権現堂の桜堤を描いた。裏面はシールになっている。

 県内街道筋の商家は、街道に面する店舗間口が狭く、奥行きが長い土地が多い。かつて間口の広さにかけられた税金の影響とされ、「ウナギの寝床」とも呼ばれる。この長い土地で、裏手の蔵から店舗に荷物を運ぶ際、しばしばトロッコが使われた。

 日光道中の宿場町として栄えた幸手宿。永文商店は、酒類や食品を卸し販売してきた。近年、権現堂堤の桜などで観光客が増加。現在も現役で活躍する同商店のトロッコは、観光資源の一つとして人気を集め、「横丁鉄道」の愛称で親しまれている。

 同商店に現存するトロッコは、関東大震災後、1924(大正13年)ごろ設置。約40メートルの軌道の上を、人力で平台のトロッコを動かす仕組み。加藤さんによると、入出荷の際、酒類など重さ1トンほどの商品を軽々動かすことができるという。

 加藤さんは「お花見の時期にトロッコ目当てで来られる方も多い。トロッコが幸手やお店のことを知るきっかけになれば」と話している。

ツイート シェア シェア