大声で威嚇、説得する駅員…不審者騒ぎを撮影する利用客 近づけないように誘導 東武線の駅で不審者対応訓練 「自分も写真や動画撮るかも」
2024/07/11/09:10
さいたま市見沼区の東武野田線(アーバンパークライン)七里駅で3日、刃物を持った不審者に対応する訓練が実施された。大宮東署と東武鉄道、同区役所や近隣店舗の関係者ら約30人が参加し、刺股を扱う練習も行った。
訓練では、刃物を持った不審者役の警察官が改札付近に座り込み、大声を出して駅員や駅利用客役の他の参加者を威嚇。駅員らは110番し、警察官が駆け付けるまで、不審者に落ち着いて刃物を手放すよう説得や、騒動を撮影する利用客を不審者に接近させないよう誘導した。
また、資機材使用訓練では署員が刺股の使い方を説明。U字形の部分を斜めに押し当てる「けさ押さえ」や「胴押さえ」「足押さえ」などを紹介し「つかまれ、押し返されたり、刺股を向けられた相手が興奮したりする危険もある。説得を試み、警察官が来るまで負傷しないことが一番重要」と強調した。参加者は「こんなに重いと思わなかった」などと言い、刺股を構えたり、押し返したりしていた。
訓練に参加した女性(40代)は「訓練と分かっていても不審者は怖かった。子どもといたら逃げるが、一人なら自分も写真や動画を撮るかも」と振り返った。七里駅の小野寺秀一駅長は「実際の駅構内や資機材での訓練を経験でき有意義だった。駅のお客さんに防犯の取り組みを見てもらうことも重要」と話した。