<聖火リレー>最終日にランナー108人、12市町を巡って埼玉完走 3日間で274人が聖火つなぐ
東京五輪の聖火リレーは8日、県内での最終日を迎え、川越市など12市町24・6キロをランナー108人が走った。聖火はセレブレーション会場のさいたま新都心公園から最終開催地の東京都へと送り出された。県内では3日間で70・5キロのルートを274人のランナーが聖火をつないで完走した。
聖火は8日朝、スタート地点の川越市で蔵造りの町並みを通り、鶴ケ島市、坂戸市を駆け抜けた後、本庄市で世界最古の自転車といわれる足踏み式自走4輪車「陸船車(りくせんしゃ)」に乗った。一時的に火が弱まるトラブルに見舞われたが切り抜け、深谷市につながれた。その後、嵐山町、東松山市、滑川町、鴻巣市、北本市、桶川市、上尾市をリレーし、ランタンに格納され、ゴール地点のさいたま市に入った。
新型コロナウイルス対策の重点措置区域として公道走行が中止になったさいたま市では、新都心公園でセレブレーションが開催され、大野元裕知事、同市の清水勇人市長らが出席。公道走行の代替措置として、まず川口市のランナー10人が約10メートルずつを走りトーチをリレーする点火セレモニーを行った。その後、さいたま市のランナー24人が同様に10メートルずつを走行。最後にグループランナーの代表者が聖火皿に聖火を移し、3日間の道のりを締めくくった。
午後8時前、最終グループランナー「SAITAMA PRIDE」10人が登場。花道を歩いて聖火をつなぎ、代表の具志堅美咲さん(20)がステージの聖火皿に点火すると、大きな拍手が起きた。小学5年生からサッカーを始め、高校の体育教諭を目指す大学生の具志堅さん。ランナー仲間から大役を勧められ「とても緊張したが、応援が胸に響いた」と安堵(あんど)の表情を見せた。
実行委員会あいさつでは大野知事が「神々しい灯をつないでもらった皆さんに感謝」と述べ、清水市長は「コロナに打ち勝って、希望を切り開くきっかけの五輪になれば」と期待した。