10代女性がパニック、橋から飛び降りそう…車で出かける夫婦、気付いて引き留める 7メートル超の高さ、欄干に足かける女性「誰も話を聞かない」…夫婦が優しく保護 行き交う人々も場を和ませ、女性は家族の元へ
狭山市柏原の入間川にかかる「いるまがわ大橋」から飛び降りようとする女性を救ったとして、狭山署は9日、会社員の寺戸智彦さん(44)とパートの恵利子さん(41)夫妻=同市在住=に感謝状を贈った。同署は「悩んでいる人は、相談ホットラインに打ち明けてほしい」としている。
同署によると、寺戸さん夫妻は6月16日午後2時半ごろ、家族で車で出かけていたところ、橋に車を止めて助けを求める高齢の女性を発見。車を降りて駆け付けると、10代女性が橋の欄干に足をかけ、約7・5メートルの高さを飛び降りようとしていた。
「とりあえず行かなきゃ、助けなきゃと体が動いた」。智彦さんが女性の体をがっちりとつかみ、欄干から降ろした。「何かあったの」と聞くと、女性はパニック状態で「死にたい。誰も私の話を聞いてくれない」などと話していたという。警察が駆け付けるまで優しく語りかけ、通りがかりの50代女性が世間話をして場を和ませてくれた。
恵利子さんは「同じくらいの年代の子を持つ親として、ずっと心配していた」と話す。同署から女性が無事に家族の元に戻ったと聞き、ほっと胸をなで下ろした。「思い詰めた顔をしていたので…しっかりした支援を受けて、この先の人生を良いものにして、幸せになってほしい」と願っている。
運送会社の制服を着た男性が通報を手伝ったが、まだ見つかっていない。同署の担当者は「近隣の事業者にも確認したが、どなたか分からない。判明すれば感謝状を贈りたい」と話している。
■相談窓口
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