<熊谷小4ひき逃げ>男児の時計紛失…後輩を守ろうと思った元警部補、捜査書類を破棄したのは「後輩かも」
2021/07/13/00:00
2009年に熊谷市で小学4年の小関孝徳君=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、県警が紛失した孝徳君の腕時計に関する捜査書類を破棄したとして、公文書毀棄(きき)罪に問われた、県警交通捜査課の元警部補(63)の第6回公判が12日、さいたま地裁(任介辰哉裁判長)で開かれた。被告人質問が行われ、元警部補は書類をシュレッダーにかけた者について、「自分ではなく後輩かもしれない」と答えた。実際はどうだったか分からないとしている。
起訴状などによると、ひき逃げ事件の発生当時から捜査を担当していた元警部補は、証拠品として押収した孝徳君の腕時計が紛失したと発覚するのを免れるため、15年9月、証拠品に関する書類2通をシュレッダーで破棄したとされる。
シュレッダーを使用したことについては県警の任意の取り調べの中で、「一般的な話として出た」と説明。「何とか後輩を守ろうと思い、もしかしたら私がシュレッダーにかけたかもしれないと言った」と話した。
腕時計の記載がある書類を遺族から受け取って記載がない書類を渡したことはつじつま合わせではないかと問われると、「そういう形になる」と証言。腕時計の所在が不明にもかかわらず書類だけ差し替えたことになり、「そこで話せばよかった。反省している」とも語った。
書類を差し替えた理由については、「捜査方針でそうなっていた。証拠品を再鑑定に出すためだった」と述べた。