埼玉新聞

 

中1自殺、もうすぐ3年…遅い第三者委に母親「早く報告書を出して」 異動や卒業で学校に当事者おらず

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 さいたま市立南浦和中学校1年の男子生徒=当時(13)=が2018年8月に自殺した問題で、遺族が13日、第三者委員会の岡田弘座長宛ての要望書を市教育委員会に提出した。答申予定の今年3月を過ぎ、第三者委の設置から2年に及んでいるものの、遅れている理由や議論の内容などの説明はないという。現状を説明するなど改善を求め、改善されない場合は座長の解任を求めるとしている。

 男子生徒の自殺を巡っては、所属していたバドミントン部の男性顧問の指導が原因として、遺族が第三者による調査を要請。19年7月に設置された第三者委は今年6月までに47回開催され、今月17日に48回目が予定されている。

 男子生徒の母親によると、昨年9月までに、当時の校長や顧問、了承した生徒ら関係者の聴取を終えた。「今年3月に答申を出す」と、2月に説明を受けたが、座長から「まとまらない」と言われ、答申のめども示されないという。異動や卒業などで、同校に当事者は残っておらず、母親は「時間がいたずらに過ぎて、忘れられてしまう。早くしっかりした報告書を出してほしい」と訴えていた。

 要望書を受け取った市教委指導2課の担当者は「要望書を座長に提出する。答申は作成中と聞いているが、いつになるかなどは把握していない」としている。

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