埼玉新聞

 

男に何か渡す女性目撃…声掛けた男性、被害を確信 通報の5分後、警察官が男を発見し逮捕 熊谷署が感謝状

  • 野口保祐署長(左)から感謝状を贈られた岡田圭輔さん=熊谷署

 特殊詐欺の捜査に協力したとして、熊谷署は熊谷市の岡田圭輔さん(37)に感謝状を贈呈した。

 岡田さんは3月15日午後3時半ごろ、熊谷市内のドラッグストアの駐車場で、女性(80)が若い男に何かを渡している姿を目撃。数十分前から男が現場付近を徘徊(はいかい)していたことなどから不審に思い、男が立ち去った後、110番をしながら女性に「何か渡していませんでしたか。詐欺ではないですか」と声を掛けた。

 女性は最初、詐欺被害を否定したが、説得を続けたところ、「娘の夫がスピード違反で捕まり、弁護士にお金を渡せば出られると言われた」と話したことから被害を確信。通報から約5分後、男の服装や立ち去った方角など岡田さんの詳細な通報内容をもとに警察官が男を発見、逮捕した。

 感謝状を受け取った岡田さんは「日頃から詐欺の被害は知っていた。体験を周りの人にも伝えていきたい」と笑顔で話した。

 同署の野口保祐署長は「市民のおかげで犯人を逮捕することができた。協力を非常に力強く感じる」と警察活動への協力に感謝した。

 同署管内では特殊詐欺の被害が前年同期比7件増の16件(3月28日現在)発生しており、被害総額は900万円に上る。キャッシュカード交付型の手口も多いことから、同署は在宅時の留守番電話の設定など引き続き注意を呼び掛けている。

ツイート シェア シェア