戦前の木造役場庁舎でワンマンコンサート ふじみ野の旧大井村役場、モルタル仕上げの文化財に歌声響く
2019/04/05/00:00
ふじみ野市苗間の国登録有形文化財「旧大井村役場」で、初めての試みとなるアーティストによるワンマンコンサートが開かれた。シンガーソングライターの小林愛さんが歌声を響かせ、東京都内からもファンが訪れた。座席は増席され、およそ50人がコンサート会場となった文化財で歌と演奏を聞き入った。
旧大井村役場は1937(昭和12)年に完成した県内で現存するものでは希少な戦前の木造役場庁舎。木造2階建てのモルタル仕上げの洋風建築を、当時の新聞は「モダーン(モダン)庁舎」と紹介した。
小林さんは、ピアノの弾き語りをするスタイルでライブハウスや音楽イベントに多数出演。熊谷市のミニFM「熊谷ヤバイラジオ」の番組ではパーソナリティーを務めている。
コンサートはカバー曲3曲から始まり、続けてオリジナルの5曲を披露。最後は役場の歴史や窓の構造に特徴があることを踏まえて、この日のために書き下ろした「暮らしのまど」を歌った。
終演後は市の職員による役場の解説と見学会があった。
市内から来た畠中有希子さんは子どもと鑑賞。「自分とリンクする曲があってジーンとした。子どもが生まれたときの喜びなど昔に返った気分になった」と笑顔で話していた。