埼玉新聞

 

PTA私物化 3千万円超える旅費などでも公開質問状 市P協は既に除名処分 逮捕の男、全国組織の事務局を事実上統括

  • 【検察庁】さいたま地検=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    【検察庁】さいたま地検=埼玉県さいたま市浦和区高砂

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 公益社団法人日本PTA全国協議会(日P協)元参与で、さいたま市PTA協議会(市P協)元会長の会社役員の男(54)=同市中央区本町西5丁目=が17日、工事代金を水増しさせる手口で、日P協への背任容疑で県警に逮捕された。男は「市P協を私物化」したと指摘され、日P協の事務局を事実上統括していたとみられている。

 市P協は今年3月、1079万円の使途不明金を調査していた第三者委員の調査報告書を公表。男による「協議会を私物化」と認定していた。市P協は6月、使途不明金を巡り、内規違反があったとして、男を除名処分にしている。

 男は2018年から日P協の理事などを務め、事務局を事実上統括していたとみられている。市P協は23年6月、22年度予算の約4700万円に上る赤字計上について、日P協に公開質問状を提出。3千万円を超える旅費交通費と会議費のほか、今回の逮捕容疑に関わる日P協の改修工事で、三役や理事会が見積もりや領収書を承認していたかの回答を求めていた。

 一方、さいたま地検は17日、市P協の業務上横領事件で、男と市P協元会長の男(59)を同罪でさいたま地裁に起訴した。

 起訴状などによると、2人は保険代理会社役員の男と共謀し、22年4月11日、同会名義の口座から現金100万円を引き出し、現金385万円を男が管理する会社名義の口座に送金し、着服したとされる。

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