埼玉新聞

 

<新型コロナ>まん延防止、埼玉20市町に拡大 春日部や三郷、伊奈など追加 知事「強力な対策必要」

  • 埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 県は16日、新型コロナ対策本部会議を開き、県内のまん延防止等重点措置の措置区域を県内20市町に拡大することを決めた。拡大後の措置期間は20日から8月22日まで。大野元裕知事は「本県の感染拡大傾向が明確になっている。緊急事態宣言区域の東京都との往来が頻繁で、新規陽性者が急速に増加しつつある地域に迅速かつ強力な対策を講じる必要がある」と述べた。16日には神奈川、千葉両県も対象地域の拡大を決めており、首都圏3県が足並みをそろえる形となった。

 措置区域となるのは現在のさいたま、川口両市に加え、川越、所沢、春日部、草加、越谷、蕨、戸田、朝霞、志木、和光、新座、八潮、富士見、三郷、鶴ケ島、ふじみ野各市と伊奈、三芳両町の計20市町。春日部、八潮、三郷、鶴ケ島、伊奈の5市町は今回、初めて措置区域指定となる。

 措置区域の指定基準は、1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が15人以上。狭い地域に陽性者が密集し、感染リスクの高い市町村を抽出した。

 措置区域内では、県の認証を受けることを条件に、飲食店に対し、酒類の提供を午前11時から午後7時まで、1人または同居家族のみのグループに限るなど、拡大防止策が行われる。

 県内の新規感染者は15日に328人となり、304人だった1月30日以来、約半年ぶりに300人を超えた。15日午後9時時点の県内確保病床の使用率は30・2%(503人/1666床)で、国の指標ではステージ3(感染急増)相当にある。また、1人の患者から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数は同日時点で1・326で、感染拡大傾向は顕著になっている。

 知事は会議後、記者団に「措置区域の見直し、特に解除については柔軟に行う」としつつ「緊急事態宣言も全ての選択肢はテーブルにある」と述べ、県民に感染拡大防止への協力を呼び掛けた。

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