埼玉新聞

 

すごい!JR大宮駅に到着、5分で完売 新鮮・気仙沼産「カツオのたたき」、朝水揚げし新幹線で輸送

  • 新鮮な「カツオのたたき」を買い求める客たち=大宮駅東口「まるまるひがしにほん」

  • 16日午後2時23分にJR大宮駅新幹線ホームに到着したカツオのたたき5箱=大宮駅新幹線ホーム

 気仙沼の新鮮な魚が海なし県埼玉に届いた! 16日午後、JR大宮駅新幹線ホームに到着した宮城県気仙沼市産のカツオは、駅東口の「まるまるひがしにほん」で、列を作って待ちわびていた客に販売された。この日運ばれたカツオは15本分。1本を4分割した「カツオのたたき」60パック(1パック900円税込み)は、約5分で完売した。

 JR東日本の列車荷物輸送事業の一環で、同支社とさいたま市が共同で企画。新幹線で魚介類を直送し、水揚げ当日に市中店舗で販売するのは県内初の試みという。

 カツオ水揚げ日本一を誇る気仙沼港で16日朝水揚げされたカツオは、現地の水産工場でたたきに加工、真空状態にして仙台駅に運ばれ、東北新幹線やまびこ140号で大宮駅へ輸送された。その後、まるまるひがしにほんで、埼玉県魚市場(北区吉野町)が販売した。

 約30分並び一番最初にカツオを手にした市内在住の女性(38)は「1カ月前から楽しみにしていた。念願のたたきをゲットできてうれしい。薬味をかけて食べます」と満面笑顔で話した。近くに住む男性(73)は「通りかかったので、並んでみた。ラッキーだった。今日はこれで1杯やります」と楽しそうに語った。

 同支社事業部地域活性プロジェクト主席の小河真智子さんは「大宮は東日本の玄関口。地域活性化の取り組みとして、今回の試みを皆さんに喜んでもらえればと思う。新幹線の高速性、定時制を生かして、扱う商品の幅を広げ、今後も新しい事業を展開していきたい」と話していた。

 魚市場の営業部長窪田一さんは「5分足らずで売り切れるとは予想してなかった。市場では全国の魚を扱っているが、水揚げした日に来るというのはやはりすごいこと」と驚きを隠せない様子だった。

 カツオのたたきの販売は17日にも行われた。予定していた大船渡港の水揚げが中止になったため、前日の気仙沼港で取れたカツオを加工して新幹線輸送した。

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