人気の「ちーず大福」自販機が誕生、埼玉・熊谷の「沢田本店」が設置 1日200個以上も売れる
熊谷市などで菓子店を展開する沢田本店(同市)は冷凍製品向けの自動販売機を市内に配置し、主力の冷凍大福「ちーず大福」(2個税込み260円)の販売を6月25日から始めた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う非接触販売のニーズ拡大を捉えた。沢田真弘社長は自動販売機メーカーからの話として「アイスを除く冷凍菓子を自動販売機で扱うのは、全国でみると先行事例」と話す。冷凍保存でき24時間無人で販売可能な強みを生かして売り上げの拡大を進めつつ、実店舗との相乗効果も狙う。
県道341号沿いで同市箱田の生食パン専門店などがある支援型テナント施設「Dream Catcher」の敷地内に置いた。近隣には戸建て住宅が多く食品スーパーも立地し、県立高校が2校あり、人の動きが多く設置場所に決めた。
「プレーン」「ブルーベリーちーず大福」「苺のちーず大福」の3種を扱い、2個と6個(税込み780円)で販売する。おのおの賞味期限は冷凍保存で1カ月程度。
自動販売機はサンデン・リテールシステム(東京都)製で、リース契約。電子マネー、QRコードの決済にも対応する。商品は300個入る。補充は午前10時台で、配置場所から2キロ離れた熊谷駅直結の商業施設内にある自社店舗への納品に合わせて行う。オンラインで接続され在庫状況は常時確認可能で、在庫が減れば適宜、補充する。
現状だと夏場のおやつ需要もあり1日当たり200個以上売れるが「販売開始直後は1日2回補充するなど、売れ行きは上々」(沢田社長)。売れる時間帯は午前11時台、高校生の下校時間帯の午後4~5時台や、深夜帯。沢田社長は「少量買いや土産が必要な時に、店に行かなくても早朝や深夜でも買えることが評価されている」とみる。
導入要因は新型コロナの影響が一因。密集回避へ各種行事の見送りが響き、贈答需要などが低迷。2020年度の売上高は前年比2割減になったという。
改善策を検討した中で、自動販売機で冷凍ギョーザを販売する動きの拡大に着目。店舗や電子商取引で販売する冷凍菓子のちーず大福なら対応可能とみて、年明けから導入に向けた検討を進めてきた。滑り出しは順調だが、追加導入は今後の販売実績などを分析して決める。
自動販売機を実店舗への来店動機の喚起にも生かす。適宜、購入時に実店舗のみ使える割引券を発券し、集客につなげる。沢田社長は「コロナ禍で非接触ニーズが高まるが、リアル販売も大切にし、“両利き”で事業の成長を図りたい」と語った。