丸焦げ…JR西川口駅近くのマンション爆発、写真撮りたい群衆殺到 スーパーもガラス飛び散った夜…大きな破片が降り、必死で走った人々 JRストップ 同じマンション住人、ガス止まり入浴無理「以前も騒音トラウマ」
18日後8時25分ごろ、川口市並木2丁目のマンション3階の一室が爆発する事故が発生した。マンション住民の女性が「爆発音がして窓ガラスが割れた」と110番した。爆発で、この部屋に住む男(44)が全身にやけどを負い病院に搬送された。飛散したガラス片などで、マンション住民と通行人の男女7人がけがを負った。負傷した8人はいずれも命に別条はないという。
捜査関係者によると、男は県警の事情聴取に対して、「部屋にガスを充満させたが、われに返り窓を開けた後でたばこを吸ったら爆発した」などと話しているという。男は搬送後に病院敷地内で暴れたとして、同日夜に公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。県警は当時の詳しい状況を調べている。
現場はJR西川口駅から南東に約100メートル離れたマンションの立ち並ぶ住宅街。川口署によると、爆発があったマンションの住民89人が近くの公民館に避難した。
JR東日本によると、爆発事故の影響で、京浜東北線など24本に最大約25分の遅れ、乗客約2万人に影響が出た。
■大きな破片「怖かった」
現場マンション付近の駐輪場の防犯カメラには爆発の瞬間、辺りが強く光った後、破片などが周辺に降り注ぐ様子が写っていた。通行人は突然の爆発に驚き、頭を抱えて逃げ出した。現場のベランダの壁は外に垂れ下がり、爆発の威力を物語っていた。
爆発当日の夜、現場マンションが面する陸橋では、写真を撮ろうとする群衆ができ、警察官がほうきでガラス片などを清掃していた。周囲は半径50メートルの範囲で規制線が張られ、JR西川口駅へ続く通りには緊急車両が並んだ。
近くの中華料理店やスーパーではガラスが割れて散乱。車で通りかかった女性(35)は「大きな破片が降り、怖かった」と話し、息子(8)は「雷が落ちて丸焦げになったかと思った」と目を丸くした。パレスチナとシリア出身の夫婦は「地震かと思った」「皆さんの助けになりたい」とボランティアで破片の片付けをしていた。
翌日、住民が避難先の公民館から戻ったが、現場付近は立ち入りが制限されたまま。「まだ家に入れない」と言う階下の男性は「『ドーン』という音がしてガラスが割れた」と話した。12階に住む女性は「ガスが止まり、いつまでお風呂に入れないのか」と困惑。「(マンションには)以前から民泊利用者らしき人の出入りがあった。ごみ出しや騒音に不満があり、管理会社に言っても改善しなかった」と話し、「爆発はトラウマになり、物件としての価値も下がる。住み続けたいと思えない」と強調した。