県立高校の共学化に反対 高校生有志らが県教委に3万4461人分の署名提出 「男女差別ではない」「女子校に来て救われた」「女子がいると自分を包み隠してしまう」 要望あれば生徒から意見聴取も
県立男女別学高校の共学化議論を巡って、県立高校生の有志らが23日、共学化に反対する3万4461人分の署名と、生徒との対話などを求める要望書を県教育委員会に提出した。
署名、要望はいずれも大野元裕知事と日吉亨教育長宛て。署名はオンライン署名サイトやJR北浦和駅前で昨年12月から募っていた。
提出には、浦和高校など別学12校と共学校の大宮高校、さいたま市立浦和高校の生徒ら約50人が参加。県教委の依田英樹高校改革統括監に署名と要望書を手渡した。署名などは共学化を勧告した県男女共同参画苦情処理委員に対し、県教委が8月末までに提出する報告の参考にされる。
依田高校改革統括監は「高校生の多くの皆さんに直接お会いすることができてうれしく思う。自分たちのことだけでなく、将来の後輩のことを考えて行動する姿に感銘を受けている」と述べ、生徒から要望がある場合には今後、意見聴取を行う方針を示した。
■「別学の選択肢確保を」
県教育委員会への署名、要望書提出に先立って、県立浦和高校の生徒会長(17)=3年生=ら別学校の代表生徒3人が取材に応じ、提出に込める思いを語った。
浦和高校生徒会長は「当事者の高校生から別学を維持してほしいという思いを教育委員会、知事に届けたい」として、「私学と公立の学校では私学の方が学費が高い傾向にある。公立で別学の選択肢が確保されていれば、多様性のある社会の貢献になる」と訴えた。
県立女子校の生徒(16)=2年生=は「(女子校に男子が入れないことは)男女差別ではない。私は中学校で少し嫌な経験があったが、女子校に来て救われた。この未来をこれからの中学生にもなくしてほしくない」と望んだ。
県立男子校の生徒(16)=2年生=は「女子がいると自分を包み隠してしまうことがあるが、男子校ではそのようなことがなく、自分の自信にもつながる」とし「私たちが普段どのような生活をして、どのようなことを考えているのか、教育委員会に伝えたい」と語っていた。