埼玉新聞

 

<東京五輪>ゴルフ競技、無観客で始まる 埼玉・川越の最寄り駅前に嘆き節「お客さん期待していたのに…」

  • 人影がまばらなJR川越線笠幡駅の駅前広場=29日午前11時半ごろ、川越市笠幡

 東京五輪のゴルフ競技(男子)が29日、川越市の霞ケ関カンツリー倶楽部で始まった。新型コロナウイルス感染の影響で無観客となり、最寄りのJR川越線笠幡駅前もこの日、人はまばら。「コロナ下で仕方ない」とこぼす市民の声も聞こえた。

 笠幡駅近くのコンビニ店で早朝6時から勤務していた従業員は「交通規制をしていたのか、今朝は普段よりゴルフ場に向かう道路の進み具合が悪かった」と話す。「オリンピック期間中は観戦客が訪れ、店が混み合うと予想していたのに期待外れ」と首をかしげた。

 ゴルフ場近くの飲食店店長も「霞ケ関CCがオリンピック会場に決まり、店にお客さんがたくさん入ると期待していたのに…」と五輪需要がしぼみ、嘆き節だ。

 霞ケ関CCが競技会場に決定して以降、川越市は観戦客や大会関係者を迎えるに当たり、笠幡駅前に広場やアクセス道路、公衆トイレなどを整備してきた。近くに住む男性は「コロナが広がり、人が来られなくなった。仕方ない」。

 新型コロナ感染が急拡大しており、同市も28日発表の感染者数は過去最多(61人)を記録した。交通案内のボランティアに参加していた20代の女子大学生は「コロナが急に増え出したので不安。感染防止に注意したい」と話していた。

 「昨日夜にこの辺りが停電し、明日のゴルフは大丈夫かと心配したが、開催できて良かった」と話したのは、ゴルフ場周辺を自転車で走っていた近所の70代女性。「世界中のゴルファーが今ここでオリンピック競技をしているなんて信じられない。隙間から見られる場所がないか探してみたが、規制されていた」とがっかりしていた。

 ゴルフ男子は8月1日まで、女子は同月4~7日まで同会場で行われる。

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